沿革
1987(昭和62年)に社会福祉士及び介護福祉士法が制定された以降、介護の国家資格を取得する人たちが、全国の介護福祉士がネットワークを作り始めて都道府県単位で介護福祉士が組織されていきました。大阪では、任意団体として1993年(平成5年6月)に大阪府介護福祉士会が設立されました。
また、翌年、1994年(平成6年2月)日本介護福祉士会が誕生しました。
平成5年6月26日に発足した当初は「大阪府介護福祉士協会」として約250名の会員数でスタートした当会も平成19年4月の社団法人化の時には会員数が1,526名となり、大阪府に於いて「介護福祉士の職業倫理及び専門性の確立、介護福祉士に関する専門的教育及び研究の推進並びに介護に関する知識の普及を図り、介護福祉士の資質及び社会的地位の向上に資するとともに、府民の福祉の推進に寄与すること」を目的として事業を実施して参りましたが、従来の民法に基づく公益法人制度に代わる新しい公益法人制度移行により、平成25年4月1日より会員数2,170名で、「公益社団法人大阪介護福祉士会」として新たにスタートする事になりました。
介護人材と本会の状況
現在、介護福祉士は全国で約180万人を超え、大阪府に於いては約13万人の資格取得者となっています。しかし、介護を取り巻く様々な要因から介護の仕事にやりがいを持って就職しても何らかの理由により長く続かずに離職してしまう人が後を絶たず、所謂、『潜在介護福祉士』の割合が平成19年度では資格取得者の約4割を占める等、人手は必要なのに、資格取得者が働かない、働けない理由が存在する現状を打開するため、全国に先駆け、当会は、大阪府社協と連携し、「潜在介護福祉士の為の研修会」を自主事業として独自にスタートさせました。
最近の福祉の動向や介護技術の指導、施設の種別紹介や受講生同士のグループワークなども取り入れ、『また、施設で介護の仕事をしてみたい』と復帰への意欲に結びつくような研修を実施してきました。また、研修開催を広く周知するため、マスコミや多方面への広報活動にも積極的に取り組み、地道ながらも毎年、それらの研修に研鑽を続けてきました。その後、全国的にこれらの研修に国からの補助金がでるようになり、国レベルの問題として認識いただけたこと、介護の現状の一端を理解いただけたことは職能団体として嬉しい悲鳴でありました。
また、2011年度におきまして、EPA(2カ国間)協定では、大阪から日本人初のフィリピン人介護福祉士合格者を誕生させたことに貢献できたことは私たちにとりましても、この上ない喜びでありました。2012年度はEPA対策講座を開催、16名の国家試験受験者中、インドネシア人7名・フィリピン人1名の計8名の合格者へのサポートができたことは、私達にとりましても忘れることのない良い経験でした。
今後の活動
このような現状を踏まえ、今後、当会は職能団体の役割として、卒後教育に力を注ぎ、介護力の標準化に努めると共に、後継者育成に参画できる人材の育成にも積極的に取り組んでいくことで、次世代を担う質の高い介護福祉士を社会で評価していただき、また、その事によって、介護を必要とされる方々から信頼される専門職として認知していただけるよう研鑽してまいります。
今年度は本会の柱の一つでもある、「介護福祉士が同じ職場で長く働き続けられるための支援」としまして、『介護福祉士と腰痛の関係』にスポットを当て、離職率との関係も視野に入れた調査研究を実施致します。